花でふと思い出したのが、この「花束のように抱かれてみたく」である。短歌と文が俵万智で写真が稲越 功一の二人の手による文庫本である。

 この本がどこにあるのか、わからずに探すのに手間取った。久しぶりに開くと美しい写真と短歌に思わずため息がこぼれた。花が好きな友人にプレゼントした記憶もある。花の歌、花にまつわるお話、花の紹介、花の美しい写真、366日の誕生花に花言葉、とにかく花の情報も満載で、いろいろな意味で入門書かも知れない。

 短歌も素敵。気どりのない、さらりとした歌で心地よく響いてくる歌ばかりだ。俵万智はわたしが歌を詠むきっかけを与えてくれた歌人なので、あの頃の気持ちがよみがえり、懐かしいようで新鮮な気分になった。

 いま歌を詠んでいて歌とは何だろうと反芻する日々だ。これで良いのかという迷いがいつもついて来る。苦しみながら詠んだ歌は自分でも良くないと思う。それよりも、素直な感動を詠んだ方が、ずっと人の心に届くものかも知れない。でも、その「素直な」というのが、また意外に難しくも感じる、この頃・・・スランプだね。

ISBN:4041754054 文庫 稲越 功一 角川書店 2000/04 ¥630
 初夏のような陽射しに汗ばみながら歩いた。こんなに暑いのに空は薄水色で、鳥は小さな群れを作り爽やかな風に乗って飛んでいる。

 久しぶりに花屋を訪れた。紫陽花の鉢植えが並んでいる。それにしても、いろいろな種類があることに驚いた。以前放送されたテレビ番組で、紫陽花は日本原産で西洋に渡って「東洋のバラ」と呼ばれたと聴いたことがある。

 人の手により品種改良が繰り返され、長い時間と長い旅路を経て、いま花屋の店先に並んでいる紫陽花たち。いや、紫陽花だけでなく、どの花にも人の想像の及ばぬ歴史が秘められているのかも知れない。そう思いながら美しい花を眺めていると不思議な気持ちになる。

 日記に書くために楽天製品レビューで探してみるとヤマアジサイ「白富士」の画像があった。花屋の紫陽花は青や淡いピンクや紫などの色とりどりの花だった。花の色は土壌が酸性かアルカリ性かで青か赤のいずれか(はっきりとは覚えていないけれど)に決まるはずなので、白は珍しいのでは、ないだろうか。

 もうすぐ梅雨がやってくるけれど、紫陽花は雨に濡れている風情が一番美しい。比較的に育てやすいのだろうか。庭先に紫陽花を植えている家も多いような気がする。憂鬱な季節に目に鮮やかな紫陽花は慰めにもなる。
 イタリアを旅したことがない人、そして私のように未来もおそらく、この国を旅する機会がないと思える人には、お薦めの映画です。風景を瞳に焼き付けて留めておきたいと思えるほど美しかった。また、主題歌はエンヤが歌っていて、映画のもつ雰囲気に、とてもマッチしていた。この映画を見たのがいつだったか忘れてしまったけれど、今夜ふいに思い出し「もう一度見てみたいな」と考えている。

DVD ポニーキャニオン 2003/08/20 ¥2,625
 初めて読んだ江國 香織の小説が「冷静と情熱のあいだ―Rosso」である。わたしは出来るだけ映画を見る前に原作を読むようにしている。
 
 ご存知のように、この小説は同名の辻仁成の「Blu」とコラボレーションされている。「Rosso」では、あおいが「Blu」では順正が主人公で、それぞれ別々の視点から書かれた小説だ。

 辻仁成は「あとがき」にこう記している。

 文通のような連載であった。彼女(江國 香織)から送られてくる原稿をいつも楽しみにしていた。やられた、と思うと、燃えた。あおいの感情の揺れにドキドキした回は、順正にいっぱい情熱を注いだ。

 と、いうことは、つまり物語の筋は江國 香織が握っていたことになる。この2冊を読み終えて「どちらが良かったか?」と訊かれれば、迷わず「Blu」とこたえる。イタリアでの生活をより現実の世界へと引き寄せているのは、間違いなく「Blu」の方である。実際、映画も順正のほうが主人公であった。

 しかし江國 香織なくして「冷静と情熱のあいだ」が生まれなかったのだから、どちらの小説も素晴らしいと言える。辻仁成も「奇跡の貴重な第一歩であったと言えば、ちょっと大げさだろうか。」と興奮冷めやらぬ感じで記している。

 この2冊を読み終えた後では映画は物足らなかった(それは、他の場合もいつも同じなのだけれど)。ただイタリアの中世のまま時が止まったかのような、あの美しい風景だけは映画でしか、または実際にその街を旅した人でしか、確かなイメージが創れないのも事実である。 

ISBN:4043480032 文庫 江國 香織 角川書店 2001/09 ¥480
 あとがきには、こう記されている。

 「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています。」

 この小説は、すべてにおいて説明が足りない。でも、その足りなさが良さかも知れない。そして、確かにこれは狂気の物語だけれど、それほど違和感を覚えなかった。覚えなかった、ばかりではなく、何となく理解できるような気がした。

 何故なら、本物の恋は永遠だと思うから・・・例えば、終わった恋の傷が癒されることはあっても、恋した記憶は死ぬまで失われることはない。「恋したことなど忘れた」と言う人がいたら、それは恋ではなくて、ただの遊びに過ぎなかったのだと思う。

 そして、恋ゆえに人は喜び、人は苦しむのだと思う。一生、思い続けられる人がいるというのは、果たして幸せなのだろうか、不幸なのだろうか。それよりも、そんな思いは狂気なのかも知れない。

ISBN:4101339198 文庫 江國 香織 新潮社 2002/06 ¥460
 読み終わって「どうして、こんなタイトルにしたのか」と考えてみた。単に、たくさんの人間模様に例えてみたかったのかも知れない。実際にこのタイトルに関連してくるのは枇杷の木くらいだ。
 
 江國 香織の小説はいつも非日常的な傾向がある。しかし、小説というものは、そうあらねば、ならないのだろう。読者は平凡で退屈な毎日にウンザリしている(少なくとも私は)ので突拍子も無い話をまるで週刊誌を読むように悦ぶものだ。

 けれど、実際は眉をひそめてしまいそうな物語を蛹(さなぎ)から羽化する蝶のように美しくしてしまう江國さんの言葉の魔術に逆らう術はない。何故なら、もう一度、時間を経て、読み直しても良いなという、めったにない気分にさせてくれるからである。

 ところで、江國 さんの亡くなったお父様は俳人であったらしい。(麦秋さん、掲示板に情報、ありがとうございます)。俳人、江國氏の俳句というものを私は一度も読んだことがないのだが、「血は争えぬ」という言葉が浮かんできた。他にも、小説家、吉本ばななは、かの有名な、思想家、吉本隆明の娘である。感性というものも遺伝するのかも知れない。 

ISBN:4087475859 文庫 江國 香織 集英社 2003/06 ¥680
 何の脈略もない物語のように思えて、その癖、読者の心をしっかりと捕らえたまま放さないのは江國 香織の小説の最大の魅力かも知れない。
 
「こんなこと、本当に起こるはずないじゃない」

 心の中でいくら否定してみても、小説の世界の中では何でもありで、それを、さらりとしかも心地よく許してしまえるから本当に不思議です。

 言葉の官能の世界とでも呼べば良いのだろうか。読者を陶酔させる前に、おそらく作者、自らが幻惑への扉の鍵をしっかりと握っているように思える。

 美しい言葉に目を留めて、時折、声に出して、愛しみながら、ゆっくりと時間をかけて読み進めた。時には、ワインなど飲みながら。

 そうして一日の疲れが、さざ波のように打ち寄せて来ると「続きは、また明日」とパタンと本を閉じて、眠りの前の儀式、歯磨きを始める日々でありました。

 パソコンの故障という非常事態は、江國 香織や星野道夫の言葉の世界に誘ってくれたから、何事も、悪いことばっかりじゃないのだね。素敵な本に出逢えたから、案外、幸せな時間だったのかも、知れません。

ISBN:4043480016 文庫 江國 香織 角川書店 1999/06 ¥560
パソコンが故障して修理に出した。もう1か月以上も前のことになる。

 その間、もしかしたら、データが消失していて、もうHPを更新することが出来ないかも知れないとか、メールアドレスも無くなって、もう二度と連絡を取れない人がいるかも知れないとか、
いろいろな思いが押し寄せてきて、憂鬱で心の晴れない時間を過ごすことになった。

 そう私は完全なネット依存症である。いらいらが頂点に達した時に読んだのが、この「いくつもの週末」である。作家、江國香織さんの日常が、さりげない生々しさで綴られている。

 結婚とは世界をこの上もなく平凡で退屈で、つまらないものにするものかも知れない。「いくつもの週末」で描かれているのは、いまにも崩れそうな脆さを見せながらも、やはり愛という確かなもので結ばれている一組の夫婦の日常で、総じて、結局、二人は幸せなのだ。

 この本を読み終わり、私は何かに憑かれたように次々と江國さんの小説を貪り読むことになった。

 わたしの狂おしいほどの心配を他所に、何事もなかったかの様にパソコンが戻って来て、珈琲を飲みながら日記を書いている日曜日の昼下がり・・・今、ネット依存症の私は、何だか、ほっとした安心感に包まれている。

ISBN:4087473198 文庫 江國 香織 集英社 2001/05 ¥440
 輪廻転生という考えはキリスト教信者にはない。仏教が神秘的にみえるのは、そのせいかも知れないね。もし、日本人が、同じテーマでこの映画を作ったとしたら、もっと別の表現をするだろう。

 チベットという国がなくなって、不思議なことに、チベットの民の苦しみや悲しみと共に、チベット密教は世界に広がり続けている。

DVD ハピネット・ピクチャーズ 2003/07/24 ¥2,940

自宅に訪問してきた僧侶に突然、自分の息子がチベット高僧、ラマー・ドルジェの生まれ変わりかもしれないと告げられる。
 すみれの花の砂糖づけってどんな味がするのだろう。

 そんな事を考えながら江國 香織の詩集を読みふける。

 幸せな人の詩は、ほんわりと春の日差しに照らされた匂いがする。

ISBN:4101339201 文庫 江國 香織 新潮社 2002/11 ¥540
ねえ、神さまは
「私を信じぬ人を殺せ」と言うのかな?
世の中にはいろいろな宗教があって
別に信じている訳ではないけど
マザー・テレサやダライ・ラマのように
信じるものを超えて心から尊敬できる
素晴らしい人もたくさん、いるよね

ねえ、不思議だと思わない?
信じるものが違っていたら友達にもなれないの?
争うことでしか解決できないほど憎みあって
神さまは、本当にこんな事を喜んでいるのだろうか?
テロで自爆して死んでいく人は
「神さまの元にいくのだ」と喜んでいるよね
自分が善良で正しい事を行っていると疑わない

ねえ、神さま
もし、そこにいるなら、教えてください
神さまと神さまは仲良くなれないのですか?
信じる人だけを愛し、信じない人は愛せないのですか?
わたしって神さまも信じられない馬鹿者ですから
宗教と宗教がどこまでも平行線で
お互いに理解し合えないのが、わかりません
 イラクには、いま世界中の人が様々な思いを抱いて注目している。「ぼくの見た戦争」を書いた高橋 邦典さんも、そんな一人だ。

 そして、今、拉致された三人も、それぞれにイラクの国民のために何かできることはないか、そんな志に燃えていた。 

 郡山総一郎さんさんは宮崎県出身。朝日新聞によると、「週刊朝日」の元契約記者で、いまはフリーの写真ジャーナリスト。

 高遠菜穂子さんは北海道千歳市の出身。麗沢大学外国語学部英語学科を卒業し、東京で1年間、会社員を務めた。2000年からインド、タイなどでボランティア活動を開始した。昨年4月からはイラクで緊急支援活動を始め、治安の悪化するバグダッドで単独で活動を続けていた。

 今井紀明さんは札幌市在住で、3月に立命館慶祥高校(北海道江別市)を卒業したばかり。NGO「NO!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」の代表を務め、劣化ウラン弾による被害を止めようと、今月4日に日本を出発し、イラクに入った。今月下旬にも帰国する予定だった。(毎日新聞)

 どうして、こんな三人が拉致されればならないのかと考えると涙がこぼれてくる。どうして争うことでしか問題を解決しようとしないだろうか。どうしようもなく怒りがこみあげてくる。

 今後の政府の対応に注目したい。

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大型本 高橋 邦典 ポプラ社 2003/12 ¥1,365
 この映画のことで友人ともめた事がある。

 わたしは「これは恋愛映画だ」と主張し、友人は「レオンの愛は成熟した大人の恋愛とは違う」と真っ向から意見は別れた。

 でも、いまでも、こんなにピュアで美しい愛の映画を私は他には知らない。何度見ても涙かこぼれてしかたない。

DVD パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン 2004/06/25 ¥4,179

半神

2004年3月29日 読み終えて
 わずか10枚足らずの漫画なのに結合体双生児姉妹の運命を描いた「半神」を読んだ時の衝撃を忘れることはできない。

 萩尾望都を天才と称する人はたくさんいるが、この作品を読めば納得できる。

 また野田秀樹が、この漫画をもとに演出した舞台「半神」も一時期話題を呼んだ。

ISBN:4091910173 文庫 萩尾 望都 小学館 ¥562
 美しさを極めた映画かもしれない。映像も物語もアクションも思索も色彩も何もかも・・・情景の全てに美が意識されている。

特にワイヤーアクションは歴史という名をかりた異次元の世界を思わせる。

そして結末が良かった。歴史の裏側には常に名も無き英雄たちがいるのだ。

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DVD レントラックジャパン 2004/01/23 ¥3,790

秦王のもとに、王を狙った刺客を3人殺したという無名という男が現れた。その功績を讃え、特別に謁見を許された彼は、刺客を殺した経緯を王に語りはじめる。
 良いものは時代を越えて良いと評価されるものなんだなと改めてそう思った。

 とにかくフレディの歌声が素晴らしい。オペラ歌手、顔負けの声量だと思う。売れていた当時のコンサートは凄く盛りがっただろうなあ・・・と容易に想像がつく。

 「伝説のチャンピオン」や「ボヘミアン・ラプソディ」など、いつもどこかで耳にしていたように思う。いまはもうフレディがこの世にいないと思うからこそ『プライド』をきっかけに人気に火がついたのかも知れない。

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クイーン CD 東芝EMI 2004/01/28 ¥2,427

ボーン・トゥ・ラブ・ユー
ウイ・ウィル・ロック・ユー
伝説のチャンピオン
ドント・ストップ・ミー・ナウ
トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー
レット・ミー・リブ
マイ・ベスト・フレンド
アンダー・プレッシャー
RADIO GA GA
愛にすべてを
キラー・クイーン
地獄へ道づれ
愛という名の欲望
フラッシュのテーマ
ショー・マスト・ゴー・オン
ボヘミアン・ラプソディ

2004年、日本編集によるベスト・アルバム。
木村拓哉主演のフジテレビ系ドラマ『プライド』テーマ曲に使用された「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」や「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」ほか、全16曲すべてがヒット曲やタイアップ曲だ。
 綾戸智絵さんの言葉

「私にとって歌をうたう為に一番必要な事、それは聴いてくれる人がいるということです。聴きたいと言ってくれる人がいる限り私は歌い続けられます。お客さんのエネルギーで私は歌わされているんです」

 綾戸智絵さんのデビューは40歳を過ぎてからだ。彼女のことを良く知る人は苦しいことの連続だった人生を良くご存知だろう。だから綾戸智絵さんの言葉の裏側に秘められた奥深さを理解できると思う。

 テレビで放送された綾戸智絵さんのコンサートの一部を見たが、めちゃくちゃ明るい。あの小さな体のどこに炸裂するパワーが秘められているのか不思議だ。

 「BEST」の中には紅白で歌ったTennessee Waltzも収録されている。改めて歌詞を読み、綾戸さんの歌声でTennessee Waltzを聴くと涙がこぼれた。人生の悲哀を知る綾戸さんだからこそ、この歌を大切にしているのだと改めてわかった。

Iwas dancing with my darlin’ to the Tennessee Waltz
When an old friend I happened to see

I introduced her,to my love one,
And while they were dancing
My friend stole my sweet heart from me.

I remember the night and the Tennessee Waltz
Now I know, just how much I have lost
Yes,I lost my little darlin’
The night they were playing
the beautiful Tennessee Waltz

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綾戸智絵 CD インディペンデントレーベル 2002/10/23 ¥2,857

Over The Rainbow
Oleo
Tennessee Waltz
Route 66
Yozoranomukou
Spring Wheel
Every Breath You Take
Moon River
Leaving On A Jet Plane
Everybody Everywhere
Woman Of Ireland
Get Into My Life
Slow Dancer
Low Rider (新曲)
Get Back (新曲)
You Are So Beautiful (新曲)

デビュー5周年記念のベスト盤。1998年に1stアルバムを発表した時、綾戸智絵は40歳だった。その当時は小さなライヴハウスで歌っていたが、まもなく大ホールを満員にする大スターに変身。5年間に発表した10枚のアルバムはトータルで100万枚を越えるセールスを記録した。
 瞑想について書こうと思っていたら、こんなCDが発売されている事を知った。こんなのがあるんだな・・・と思った程度で買わなかった。今日、買ったCDはQUEENの「JEWELS」とジャズシンガーの綾戸智絵の「BEST」こちらは、また別の日に記したい。

 昨日は「かもめのジョナサン」からランナーズハイのことを書いた。人間の生活には静と動が必要らしい。ランナーズハイが「動」とするなら、瞑想は「静」ということになる。

 こういう事を書くと何かの宗教の話ではないかとよく誤解されますが、そういう事とは一切関わりがないのでご安心ください。わたしは瞑想は人間にとって必要不可欠のものだと考えている。

 「瞑想」という言葉を耳にすると何か難しいことのように思われるかも知れませんが、実はすごく簡単なこと。わたしの瞑想法はクラッシックを聴くことです。ロックやジャズのほうが大好きなのだけれど、瞑想する時にはクラッシックを聴きます。それが心身ともに一番リラックスできる方法なのです。

 「瞑想」にはいろいろな方法があると思う。例えば絵を描くのが好きな人、楽器を演奏することが好きな人、わたしはそれだけで瞑想になるのではないか、そんな風に考えている。要は仕事だけで何の趣味もないのが問題で、自分ひとり心ゆくまで楽しむ時間が持てないというのが問題なのかも知れない。

 またランナーズハイまでいかなくても体を動かすことも重要で忙しくて何もできないという人は休日には近くの公園を散歩するだけでも良いと思う。桜の花も咲き始めましたし、新たな発見がきっと、たくさん、あるはず。わざわざ桜の名所に出かけなくても、ひっそりと美しい花を咲かせている樹々はたくさんあります。気がついたことを日記に記せば効果は倍増間違いなしですね。

ISBN:4569371434 CD PHP研究所 2002/11/02 ¥3,000
 「かもめのジョナサン」は飛ぶという行為に求道的な意味を求めていった。何故だかわからないけれど、ジョナサンとマラソンランナーとが重なる。

 「ランナーズハイ」という言葉を聞いたことはないでしょうか?マラソンやジョギングなどをしていて最初はしんどくて苦しいけれど、走っているうちにだんだんと気分が良くなってくる現象が「ランナーズハイ」。

 人間の脳には強い痛みやストレスを感じると 脳下垂体から一種の麻薬成分である物質が作られる。 これらの物質には人間の感じる痛みやストレスをやわらげる作用がある。 つまり、マラソンやジョギングで「苦しい」と感じると快感物質が分泌されランナーズハイが起こる。

 快感物質といわれる脳内ホルモンには、エンドルフィン、セロトニン、エンケファリンなどがある。脳内ホルモンの中のエンドルフィンは、多幸感や快感を呼び覚まし、また鎮痛作用があるホルモンとして知られている。

 マラソンに限らず、反復する鍛練はエンドルフィンの生産を活発にするともいわれ、 このホルモンは、自然治癒力の働きを助け、有害毒素を退治する一方で、気分を良くする働きがあり、治療を受けている際や、香りを嗅いでいるときにも分泌されるホルモンである。

 エンドルフィンは、脳内で痛みを止めたり、気持をよくしたり、快感を誘うだけでなく、自律神経を介して体温の変動や血圧の低下、また食欲の増進や、胃腸分泌の抑制などにも働きかけをしていることがわかっている。

 さらに鎮静効果、鎮咳効果、膵臓の分泌機能向上など数えきれないほどの作用を持っている。しかもエンドルフィンの正常分泌能が低下すれぱ病気にかかりやすくなるので脳内麻薬物質は、エンドルフィン(自ら体内で作る麻薬モルヒネ)と呼ばれるようになった。
 
 スポーツ以外では瞑想とエンドルフィンの関わりが知られていますが、これは、また別の機会に・・・・。「かもめのジョナサン」から随分、脱線してしまいましたが、この本は写真もとても美しくて、わたしにはエンドルフィンが脳内に多量に分泌される書物である。 

ISBN:4102159010 文庫 五木 寛之 新潮社 ¥476
 この本の著者は女優のシャーリー・マクレーンである。
 アメリカ、バージニア州に生まれ、ブロードウェイのコーラスガールとして芸能界にデビュー。その後、映画に出演する機会を得て「愛と追憶の日々」でアカデミー主演女優賞を獲得した。
 その後、彼女の活動の場は政治活動にも広がり、様々な経験は本にも書かれ出版されている。「アウト・オン・ア・リム」はアメリカでベストセラーとなり、日本語を含め14か国語に翻訳されている。

 この本を手に取り、実際に読む人は何か運命に導かれてのことだと思う。わたしもこの本に書かれていること全てが真実とは言わない。ここに少しだけシャーリー・マクレーンの言葉を記したい。

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 私たちが現実として見ているものはすべて、私たちがそれをどうとるかという認識の問題だとわかったのです。人生をどのように認識しているか、その認識のしかたこそがすべてなのです。いいかえれば、私たちの人生は私たちの見ている世界そのものによって決まるのではなく、自分がどのように世界を見ているかによって決まるのです。

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この本との出会い、そのものが不思議な縁だった。おそらくこの本は最初、人の手から手へと渡されて広がっていったのかも知れない。わたしは無理に人に薦めたりはしない。何かに導かれるように辿り着く本だと信じている。

 誰か、この本を読んだ人はいるだろうか?誰か、この日記を読んで新たに手に取る人があらわれるだろうか?千分の1、万分の1の確立で出会えるかも知れない。

ISBN:4042798012 文庫 山川 亜希子 角川書店 ¥838

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