映画「ロード・オブ・ザ・リング」の第3部「王の帰還」は2月14日に公開される。

 この映画の原作は「指輪物語」と訳されている。イギリスのオックスフォード大学の教授John Ronald Reuel Tolkien(トールキン)氏がもともとは自分の子供に語って聞かせた「ホビットの冒険」の続編として書いたものである。

 まだ原作を読んでいない方は、「ホビットの冒険」岩波書店(上・下)から読み始めると楽しいと思う。それに映画の内容と重複はしていない。続編の「指輪物語」は大人向けのファンタジー小説で重厚で、その内容はとても深い。よく「ファンタジー文学の金字塔」と呼ばれている。

 全9巻からなる「指輪物語」はすでに映画を見られた方、本を読まれた方なら、ご存知の様に
「旅の仲間」
「二つの塔」
「王の帰還」の3部構成になっている。

 映画でも、いよいよクライマックスの「王の帰還」。小説でも7,8,9巻が一番面白い。途中、どういう結末が待っているのか予想がつかない。まさに、はらはらドキドキの展開である。これだけ長い本でも他の本を一切、手に取らずに(わたしにとってこれは、すごく珍しいことで)一気に読んだ。

 他のファンタジー小説を調べてみたのだが、トールキンの「指輪物語」と同じくらい有名なのが同時代に書かれた「ゲド戦記 」U.K.ルグウィン作、でこちらは
「影との戦い 」
「こわれた腕環 」
「さいはての島へ 」
「帰還 」
 の四部作である。まだ読んだことはないが、機会があれば、ぜひ読んでみたいと思っている。

 その他に、これも同時代に生まれた「ナルニア国ものがたり」C・S・ルイス作 瀬田貞二訳、岩波書店はお薦めである。全7巻で
1.「ライオンと魔女」
2.「カスピアン王子のつのぶえ」
3.「朝びらき丸 東の海へ」
4.「銀のいす」
5.「馬と少年」
6.「魔術師のおい」
7.「さいごの戦い」
 子供から大人まで楽しめるやさしい文体の本である。

 「指輪物語」も「ゲド戦記」も「ナルニア国ものがたり」もゲームのRPGに大きな影響を与えている。「ドラゴンクエスト」が代表作かも知れない。これらのRPGのシナリオライターはファンタジー文学をこよなく愛した青春時代があったのだと想像している。当然「ハリー・ポッターと賢者の石」の作者、J・K・ローリングもファンタジー文学やイギリスの伝承物語の影響を色濃く受け継いでいる。

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