「月光」

2005年2月23日 妙なる調べ
 明日は満月の夜。恋人と二人きりで聴く、お薦めの曲があります。

 月明かりが綺麗なブルー・パープルの夜空なら、部屋の明かりを消して、ベートーベンの「月光」を聴いてみて下さい。

 月が雲に隠れていても、これこそが月の光だと思える静かで官能的な旋律に身をゆだねて、ワインの瓶を空ければ、身も心も酔いしれること間違いありません。
 街はクリスマスのイルミネーションで華やかで美しい。
 この季節になると聴きたくなるのが、マライア・キャリーの「メリークリスマス」。この曲をBGM にクリスマスの飾りつけを楽しみながら、家の中を明るくしたいな。

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Mariah Carey CD Columbia 2002/11/04 ¥1,134

Silent night holy night
All I want for Christmas is you
O holy night
Christmas (baby please come home)
Miss you most (at Christmas time)
Joy to the world
Jesus born on this day
Santa Claus is coming to town
Hark the herald angels sing/Gloria (in excelsis deo)
Jesus oh what a wonderful child
God rest ye merry gentlemen

マライア・キャリーはその何オクターブもの声域で喝采を浴びてきた。その反面、その武器が彼女のポップソングのよさを損なうこともあった。けれども、この素敵なクリスマス・ソング集ではその声域の魅力が存分に発揮されている。
 雨が降っていて、ひどく気だるい午後だった。

 最近、色鉛筆で下手な絵を描いている。作品を飾るフォトフレームを探したが、どれも高価で買えなかった。それで、一枚300円のコルクボードを3枚買った。絵だけでなく、雑誌や広告の切抜きなどを貼りつけても楽しいかも知れない。

 それから、トルコキキョウの切花を買った。白い花びらの先端に細い紫色の線の彩りがあり、ひと目見て気に入ってしまった。花瓶に飾ると、部屋の中が心なしか明るく感じられる。今日は、随分、贅沢をしてしまった。

 くたくたに疲れてしまって、ソファーの上で寝転びながら Norah Jones のCD「Come Away With Me」を聴いていた。気だるく、ささやかな幸せに酔っている時に最高に似合う曲だと思う。

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Norah Jones CD 2002/02/26 ¥2,210

Don’t Know Why
Seven Years
Cold Cold Heart
Feelin’ the Same Way
Come Away With Me
Shoot the Moon
Turn Me On
Lonestar
I’ve Got to See You Again
Painter Song
One Flight Down
Nightingale
The Long Day Is Over
The Nearness of You
 きっと、今日も

 さとうきび畑で

 永遠に消えることのない

 深く切ない悲しみが

 風に吹かれている

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「さとうきび畑」  作詞/作曲:寺島尚彦 歌:森山良子さん
 このCDを一度聴けば忘れられなくなる。何度も何度も繰り返し、この陶酔感に身をゆだねてしまう。クラッシックも確かに素晴らしい。けれど、この即興演奏の、もう二度と再び生まれてこないサウンドには魂の声が確かにある。

 この「ザ・ケルン・コンサート」はキース・ジャレットをジャズピアニストとして世界的に有名にした。もちろん、人の好みはいろいろあるだろうと思う。けれど、素晴らしい音楽は静かに広がっていくものだと信じている。

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キース・ジャレット CD ユニバーサルクラシック 2003/04/23 ¥1,995 キース・ジャレットは、ソロピアノで独自の世界を築きあげたことでも評価されている。ドイツのレーベル「ECM」からの最初の作品はソロピアノで、スタジオ録音では8曲のオリジナルを演奏した。だが、キースの天才ぶりが発揮されたのは、完全なる「即興」ピアノ演奏の本盤だ。

The Ones

2004年6月7日 妙なる調べ
 懐かしい曲を聴いている。マライア・キャリーの「The Ones」いまは真夜中なのでパソコンのスピーカーにヘッドホンをつないで、鼓膜が痛く感じるギリギリまでボリュームをあげている。

 3オクターブもの音域で歌うシンガーは、ほとんどいない。その人の歌を好きになるのに理由はいらない。単純で明快で、どうしようもなく魅惑される、ただ、それだけのこと。

 精神的に疲労してる夜にはマライアの歌声と歌詞は元気をわけてくれる。時に「HERO」は最高だ。初めて聴いた時は本当に感動した。

 時には懐かしい曲に耳を傾けている夜も良い。ここ数日の嫌なことを何もかも忘れて何事もなかったかのように、また一週間が始まるだろう。

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マライア・キャリー JD ホイットニー・ヒューストン ベイビーフェイス ブライアン・マクナイト CD ソニーミュージックエンタテインメント 1998/11/18 ¥2,520 90年代を代表する世界的なアーティストとなったマライア。本作は98年に発売されたシングル集で、19曲中18曲が全米ナンバー1を記録したギネス級ラインアップに、ファンのみならずとも満足させられるだろう。
 良いものは時代を越えて良いと評価されるものなんだなと改めてそう思った。

 とにかくフレディの歌声が素晴らしい。オペラ歌手、顔負けの声量だと思う。売れていた当時のコンサートは凄く盛りがっただろうなあ・・・と容易に想像がつく。

 「伝説のチャンピオン」や「ボヘミアン・ラプソディ」など、いつもどこかで耳にしていたように思う。いまはもうフレディがこの世にいないと思うからこそ『プライド』をきっかけに人気に火がついたのかも知れない。

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クイーン CD 東芝EMI 2004/01/28 ¥2,427

ボーン・トゥ・ラブ・ユー
ウイ・ウィル・ロック・ユー
伝説のチャンピオン
ドント・ストップ・ミー・ナウ
トゥー・マッチ・ラブ・ウィル・キル・ユー
レット・ミー・リブ
マイ・ベスト・フレンド
アンダー・プレッシャー
RADIO GA GA
愛にすべてを
キラー・クイーン
地獄へ道づれ
愛という名の欲望
フラッシュのテーマ
ショー・マスト・ゴー・オン
ボヘミアン・ラプソディ

2004年、日本編集によるベスト・アルバム。
木村拓哉主演のフジテレビ系ドラマ『プライド』テーマ曲に使用された「ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」や「ボヘミアン・ラプソディ」「ウィ・ウィル・ロック・ユー」ほか、全16曲すべてがヒット曲やタイアップ曲だ。
 綾戸智絵さんの言葉

「私にとって歌をうたう為に一番必要な事、それは聴いてくれる人がいるということです。聴きたいと言ってくれる人がいる限り私は歌い続けられます。お客さんのエネルギーで私は歌わされているんです」

 綾戸智絵さんのデビューは40歳を過ぎてからだ。彼女のことを良く知る人は苦しいことの連続だった人生を良くご存知だろう。だから綾戸智絵さんの言葉の裏側に秘められた奥深さを理解できると思う。

 テレビで放送された綾戸智絵さんのコンサートの一部を見たが、めちゃくちゃ明るい。あの小さな体のどこに炸裂するパワーが秘められているのか不思議だ。

 「BEST」の中には紅白で歌ったTennessee Waltzも収録されている。改めて歌詞を読み、綾戸さんの歌声でTennessee Waltzを聴くと涙がこぼれた。人生の悲哀を知る綾戸さんだからこそ、この歌を大切にしているのだと改めてわかった。

Iwas dancing with my darlin’ to the Tennessee Waltz
When an old friend I happened to see

I introduced her,to my love one,
And while they were dancing
My friend stole my sweet heart from me.

I remember the night and the Tennessee Waltz
Now I know, just how much I have lost
Yes,I lost my little darlin’
The night they were playing
the beautiful Tennessee Waltz

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綾戸智絵 CD インディペンデントレーベル 2002/10/23 ¥2,857

Over The Rainbow
Oleo
Tennessee Waltz
Route 66
Yozoranomukou
Spring Wheel
Every Breath You Take
Moon River
Leaving On A Jet Plane
Everybody Everywhere
Woman Of Ireland
Get Into My Life
Slow Dancer
Low Rider (新曲)
Get Back (新曲)
You Are So Beautiful (新曲)

デビュー5周年記念のベスト盤。1998年に1stアルバムを発表した時、綾戸智絵は40歳だった。その当時は小さなライヴハウスで歌っていたが、まもなく大ホールを満員にする大スターに変身。5年間に発表した10枚のアルバムはトータルで100万枚を越えるセールスを記録した。
 午前中、洗濯をしたり掃除をする内に気がつくと正午になっていた。たくさんの洗濯ものが春の風に吹かれているのを見ると何となく気持ちが良い。

 ふいに「春」が聴きたくなってヴィヴァルディの協奏曲「四季」をかけてみた。

 植物も音楽を聴くらしいので、部屋の中にある観葉植物のパキラの緑色が心なしか普段よりみずみずしく感じた。久しぶりに、たっぷりと水をあげる。パキラも「春」を楽しんでいるみたいだ。 
 「波乱万丈」というテレビ番組は、その名の通りゲストの波乱万丈の人生を放送している。この番組に米良美一さんが出演していた。彼は「もののけ姫」の主題歌を歌ったことで有名だ。そして世界でも数少ないカウンターテナーのひとりである。

 そんな誰でも知っている程度のことしか知らなかったが、実に個性的な人物で親しみをおぼえた。特に声を失った四年間を経て「それまで思いやりの足りない人間だった」と告白するシーンは良かった。有名になると、つい驕りの気持ちが頭を持ち上げるが、そんな所は微塵もなかった。

 考えると、米良美一さんが一時期あまりにもてはやされていて逆に興味を失っていたことに気がついた。機会があったら、じっくりと聴いてみたい。
 エンヤはアイルランドの北、ドゴニール州グウイドー出身です。伝統音楽とクラッシック、そして最新の録音テクノロジー駆使した、エンヤならではの幾重にも幾重にも重なり合った独特な音は、まるで水の波紋のように世界に広がりました。

 彼女の素顔を垣間見たとき、何故か、わたしは日本人であることを強く意識しました。

 エンヤは映画「地球交響曲第1番」に出演しています。自主上映でしか目にすることのできない映画ですが、日本全国のどこかで上映され続けている人気のある作品です。

 第1番は4部構成になっていて、映画の一番最後にエンヤが登場します。ケルト美術研究家の鶴岡真弓が案内人になり、彼女の故郷アイルランド北端の小さな村を出発点に、アイルランドの自然とケルト遺跡を訪れる旅が映されていました。

 エンヤのメロディはアイルランドの古代ケルト民族の魂をも引き継いだ遥かな時の流れをあわせ持っています。それが聴くものの心を無意識にゆさぶるのかもしれません。

 しかし、実はそれは私たちも例外ではありません。どこかに日本人として、心の奥深くで目を覚ますことなく眠っている何かがあるのです。

Enya CD Reprise 1997/11/11 ¥2,035

Orinoco Flow
Caribbean Blue
Book of Days
Anywhere Is
Only If...
Celts
China Roses
Shepherd Moons
Ebudae
Storms in Africa
Watermark
Paint the Sky With Stars
Marble Halls
On My Way Home
Memory of Trees
Boadicea
 
 めったにCDを買うことはない。レンタルすれば済むし、気に入ったCDを購入し続ければ、本と同じ様に置き場所にも困ってくる。でも時には、どうしても欲しくなる時もある。先日、女子十二楽坊のセカンドアルバム「奇跡」を衝動的に買ってしまった。北京21世紀劇院で行われたコンサートを収録したライブDVD付きだったからだ。

 デビューアルバム「女子十二楽坊〜Beautiful Energy〜」が大ヒットし、日本のCMやテレビに出演するようになった。初めて見た時は、その演奏技術の高さに驚いた。調べてみると、メンバーの一人一人が中国のいろいろなコンクールで優秀な成績を収めている。プロの楽団員であったり、学生であったりするが、伝統音楽を大切に守ってきた中国、そして、この国の一人っ子政策が若き天才たちを輩出しているのかも知れない。

 ご存知の様に昨年、大晦日に行われたNHKの紅白歌合戦にも出場、これは中国でも大きく報じられたそうである。武道館のコンサートではチケット発売数分で完売してしまったそうだし、女子十二楽坊の活動の場は、これから、様々な国に広がっていくだろうから、ますますチケットは手に入らなくなるだろう。

 「奇跡」の中で気に入っているのが、『新古典主義(組曲)』モーツァルトやベートーベンの交響曲、ロッシーニの歌劇「セビリアの理髪師」序曲である。聴き慣れているメロディが実に斬新である。DVDでは彼女たちの指先の華麗な演奏をまじかに楽しめた。

 女子十二楽坊はその名の通り、12名のメンバーで演奏している。前列左右に笛の2人、前列中に二胡組4人、第2列に琵琶組3人、後列に琴組3人がいる。本当は13人いるというのは、二胡組で、実際は5人いるが、そのうち4人が出演する。プロの楽団で演奏するメンバーのスケジュールの調整などのためもあるかも知れない。

 好みは人それぞれだと思うが、ニ胡、琵琶、笛、揚琴、琴の中では、やはりニ胡に一番魅力を感じる。宮尾登美子の小説「一弦の琴」(直木賞受賞)を彷彿とさせる。いま日本で一弦琴を演奏する人はどれぐらいいるだろうか。もはや一弦琴は消えゆく運命のように感じてならない。日本にも雅楽や、その他さまざまな伝統音楽がある。女子十二楽坊のように新しい世界を開拓する時が来ているのかも知れない。