インターネットという便利な通信手段を得て、わたしには幾度か不思議なことがあった。縁もゆかりもない別々の三人のメル友から同時に一冊の本を薦められた。「聖なる予言」である。

 だいたい、この本は題名が良くない。まるで新興宗教か何かののような感じがする。そのため、薦められても、すぐには探してみようとも思わなかった。

 この本に出逢ったのは、ある年の夏、角川の夏の百冊に選ばれて、本屋の入り口に並べられていた時だった。角川が自信を持って薦めるのなら、この本を多くの人が読んでいることになる。事実、この本は読み終えたら誰かに薦めたくなるような本なのだ。誰彼にも、ではなく、大切に思う親しい人に読んで欲しくなる本である。

「聖なる予言」の第一章、変化のきざし、16ページにこう書かれている。

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あなたは何か、自分がやりたいことについて、予感とか直感を感じたことはない?人生の進路についてはどう?そして、なぜ、そんな感じがしたか、不思議に思ったことはなかった?そのあと、そんなことはすっかり忘れて、他のことに夢中になっていたに、ある時、誰かに会ったり、何かを読んだり、どこかへ行ったりしたのがきっかけで、望んでいた方向に導かれたという経験はない?

(中略)

こうした偶然の一致は、どんどん頻繁に起こるようになって、ついに単なる偶然を超えていると、私たちは思い至るのですって。まるで何か説明できない力に、私たちの人生が導かれているかのように、それが運命づけられていたと感じるの。

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私たちは常に予感、直感に導かれて生きている。「聖なる予言」を読めば、まだ自分自身のことを本当に知らない自分に気がつくことになる。

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