セブン・イヤーズ・イン・チベット―チベットの7年
2004年3月1日 読み終えて
ブックカバーの写真は同名の映画で主演を演じたブラッド・ピットである。
第二次世界大戦の頃、オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーはインドにいた。そこで戦争捕虜となるが、収容所を脱走しチベットの高原を彷徨いラサに到着した。
ハラーはそこでダライ・ラマと運命的な出会いをする。彼の家庭教師をつとめるが、やがて中国のチベット侵攻が始まった。その時の体験を本に記したのが「セブン・イヤーズ・イン・チベット」である。いまはもうチベットという国はない。
ダライ・ラマ14世はノーベル平和賞を受賞するが、チベットという国がどういう国だったのか、チベットの人々がどんな民族で、またチベット密教がどんな宗教だったのか、一番最初に世界の人々に知らせたのが、この書である。
冒頭にダライ・ラマはメッセージを寄せている。
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何があろうと変わらないことが、本当の友情の証です。いちど心を許しあえば、友情を保ちつづけ、残りの人生のあいだずっと、助けあうのです。ハラーは、そんなふうにずっとチベットの友人であり続けています。彼が私たちの願いに力を貸してくれたもっとも大切なことは、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」という本を通じて、たくさんの人々に私の国を紹介してくれたことです。彼はいまなお、チベットの人々の権利と自由のために尽力してくれていて、私たちはそのことにとても感謝しています。
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この書は、ハラーのチベットという国と民族に対する深い愛を感じる。彼はチベット密教に帰依することはなかった。あくまで客観的で誇張のない冷静な表現を貫いていて共感を覚えた。それ故にハラーの「人類愛」を深く感じる。国と国ではなく、民族と民族でもなく、宗教と宗教でもなく、人と人が様々なことを超えて理解しあい愛し合うことができるのだという一つの証に思える。
ISBN:4042770010 文庫 福田 宏年 角川書店 ¥940
第二次世界大戦の頃、オーストリアの登山家ハインリヒ・ハラーはインドにいた。そこで戦争捕虜となるが、収容所を脱走しチベットの高原を彷徨いラサに到着した。
ハラーはそこでダライ・ラマと運命的な出会いをする。彼の家庭教師をつとめるが、やがて中国のチベット侵攻が始まった。その時の体験を本に記したのが「セブン・イヤーズ・イン・チベット」である。いまはもうチベットという国はない。
ダライ・ラマ14世はノーベル平和賞を受賞するが、チベットという国がどういう国だったのか、チベットの人々がどんな民族で、またチベット密教がどんな宗教だったのか、一番最初に世界の人々に知らせたのが、この書である。
冒頭にダライ・ラマはメッセージを寄せている。
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何があろうと変わらないことが、本当の友情の証です。いちど心を許しあえば、友情を保ちつづけ、残りの人生のあいだずっと、助けあうのです。ハラーは、そんなふうにずっとチベットの友人であり続けています。彼が私たちの願いに力を貸してくれたもっとも大切なことは、「セブン・イヤーズ・イン・チベット」という本を通じて、たくさんの人々に私の国を紹介してくれたことです。彼はいまなお、チベットの人々の権利と自由のために尽力してくれていて、私たちはそのことにとても感謝しています。
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この書は、ハラーのチベットという国と民族に対する深い愛を感じる。彼はチベット密教に帰依することはなかった。あくまで客観的で誇張のない冷静な表現を貫いていて共感を覚えた。それ故にハラーの「人類愛」を深く感じる。国と国ではなく、民族と民族でもなく、宗教と宗教でもなく、人と人が様々なことを超えて理解しあい愛し合うことができるのだという一つの証に思える。
ISBN:4042770010 文庫 福田 宏年 角川書店 ¥940
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