何の脈略もない物語のように思えて、その癖、読者の心をしっかりと捕らえたまま放さないのは江國 香織の小説の最大の魅力かも知れない。
「こんなこと、本当に起こるはずないじゃない」
心の中でいくら否定してみても、小説の世界の中では何でもありで、それを、さらりとしかも心地よく許してしまえるから本当に不思議です。
言葉の官能の世界とでも呼べば良いのだろうか。読者を陶酔させる前に、おそらく作者、自らが幻惑への扉の鍵をしっかりと握っているように思える。
美しい言葉に目を留めて、時折、声に出して、愛しみながら、ゆっくりと時間をかけて読み進めた。時には、ワインなど飲みながら。
そうして一日の疲れが、さざ波のように打ち寄せて来ると「続きは、また明日」とパタンと本を閉じて、眠りの前の儀式、歯磨きを始める日々でありました。
パソコンの故障という非常事態は、江國 香織や星野道夫の言葉の世界に誘ってくれたから、何事も、悪いことばっかりじゃないのだね。素敵な本に出逢えたから、案外、幸せな時間だったのかも、知れません。
ISBN:4043480016 文庫 江國 香織 角川書店 1999/06 ¥560
「こんなこと、本当に起こるはずないじゃない」
心の中でいくら否定してみても、小説の世界の中では何でもありで、それを、さらりとしかも心地よく許してしまえるから本当に不思議です。
言葉の官能の世界とでも呼べば良いのだろうか。読者を陶酔させる前に、おそらく作者、自らが幻惑への扉の鍵をしっかりと握っているように思える。
美しい言葉に目を留めて、時折、声に出して、愛しみながら、ゆっくりと時間をかけて読み進めた。時には、ワインなど飲みながら。
そうして一日の疲れが、さざ波のように打ち寄せて来ると「続きは、また明日」とパタンと本を閉じて、眠りの前の儀式、歯磨きを始める日々でありました。
パソコンの故障という非常事態は、江國 香織や星野道夫の言葉の世界に誘ってくれたから、何事も、悪いことばっかりじゃないのだね。素敵な本に出逢えたから、案外、幸せな時間だったのかも、知れません。
ISBN:4043480016 文庫 江國 香織 角川書店 1999/06 ¥560
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