あとがきには、こう記されている。
「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています。」
この小説は、すべてにおいて説明が足りない。でも、その足りなさが良さかも知れない。そして、確かにこれは狂気の物語だけれど、それほど違和感を覚えなかった。覚えなかった、ばかりではなく、何となく理解できるような気がした。
何故なら、本物の恋は永遠だと思うから・・・例えば、終わった恋の傷が癒されることはあっても、恋した記憶は死ぬまで失われることはない。「恋したことなど忘れた」と言う人がいたら、それは恋ではなくて、ただの遊びに過ぎなかったのだと思う。
そして、恋ゆえに人は喜び、人は苦しむのだと思う。一生、思い続けられる人がいるというのは、果たして幸せなのだろうか、不幸なのだろうか。それよりも、そんな思いは狂気なのかも知れない。
ISBN:4101339198 文庫 江國 香織 新潮社 2002/06 ¥460
「小さな、しずかな物語ですが、これは狂気の物語です。そして、いままでに私の書いたもののうち、いちばん危険な小説だと思っています。」
この小説は、すべてにおいて説明が足りない。でも、その足りなさが良さかも知れない。そして、確かにこれは狂気の物語だけれど、それほど違和感を覚えなかった。覚えなかった、ばかりではなく、何となく理解できるような気がした。
何故なら、本物の恋は永遠だと思うから・・・例えば、終わった恋の傷が癒されることはあっても、恋した記憶は死ぬまで失われることはない。「恋したことなど忘れた」と言う人がいたら、それは恋ではなくて、ただの遊びに過ぎなかったのだと思う。
そして、恋ゆえに人は喜び、人は苦しむのだと思う。一生、思い続けられる人がいるというのは、果たして幸せなのだろうか、不幸なのだろうか。それよりも、そんな思いは狂気なのかも知れない。
ISBN:4101339198 文庫 江國 香織 新潮社 2002/06 ¥460
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