「薬指の標本」 小川洋子
2004年10月23日 読み終えて
愛という言葉を考える時、この本の物語がよみがえる。それは愛する人から贈られた本だからという、そういう個人的な理由だけでなくて、愛とは何もかも捧げても惜しくはないという、この作品のテーマが、わたしの心の中に、すっぽりと入りこんで、わたしの一生を決めてしまったことにある。
わたしは、いっそのこと死んでしまって永遠の愛を貫こうと考えたことがある。それでも、わたしは生きている。わたしの愛する人も、この空のどこかで生きている。ただ、それだけのために生きている、わたしでしかない。
短歌を詠んだり、詩を書いたり、文章を綴ったり、それは、確かにわたしが生きている証でも、あるけれど、心の奥の深い深いところにあるのは、愛という、素朴で単純で平凡な一語のために捧げるのだという想いでしかない。
わたしは、いっそのこと死んでしまって永遠の愛を貫こうと考えたことがある。それでも、わたしは生きている。わたしの愛する人も、この空のどこかで生きている。ただ、それだけのために生きている、わたしでしかない。
短歌を詠んだり、詩を書いたり、文章を綴ったり、それは、確かにわたしが生きている証でも、あるけれど、心の奥の深い深いところにあるのは、愛という、素朴で単純で平凡な一語のために捧げるのだという想いでしかない。
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