柳澤桂子さんは遺伝子研究の科学者でしたが突然の病で歩けなくなり、終には仕事を断念するしかありませんでした。そういう経緯がなければ、わたしは、この本に出逢うことはなかったでしょう。

 科学者として生涯を終えたかった無念さと電動椅子でしか、移動できない作者が自分自身の生命(いのち)と向き合って生まれてきた本だと思います。

 日本エッセイストクラブ賞も受賞されています。

 昨夜、詩を書きました。

「不思議」(作品の無断転載はご遠慮下さい)

       夢野 華

この世のすべての生命が
太古の海で生まれた原始生命
そこから連綿とつながって
いまあるすべてのものが
奇跡のような調和で関わっている不思議

いま生きていることが
もはや謎の始まりなのだ
人類の母、イブから始まった
進化の道のりのどこかで
途絶えても存在しえない、わたしという個

日没の美しさに銀河の中にいる
太陽系の惑星の軌道を描く
輝きを増す月さえ愛しくなる
二重らせんのDNAがささやく
わたしは宙(そら)で宙はわたしなのだと

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 この詩を読んで心友のももさんが、こんなメッセージを送ってくれました。

>そういえば・・・「二重らせんの私」という柳澤佳子さんの本がありますよね。

 ももさんと、わたしは、こういう偶然や不思議なことが良く起こります。あまりにも頻繁に、こういう事が起こるので、もう不思議とも思わなくなりました。ももさんとわたしは、ただ、インターネットで知り合って、メッセージを交換する、ただ、それだけの間柄です。

 「不思議」という詩を読んで柳澤桂子さんの名前が、すぐに出てくるなんて、ももさん、らしいなあと嬉しくてしかたありませんでした。人と人との出会いも不思議ですね。こんなにも心が通う人がいること・・・本当に幸せです。

ISBN:4150502234 文庫 柳澤 桂子 早川書房 1998/05 ¥588

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